エレベーター内装の塩ビシート剥離作業中に急性有機溶剤中毒となり死亡
業種 | その他の建設業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 有害物のガス、蒸気、粉じん | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101483
発生状況
本災害は、ビルのエレベーター内装の塩ビシートの剥離作業中に発生した。 被災者2名は、ビルのエレベーター内部で塩ビシートの剥離作業を行っていた。ジクロロメタンを主成分とする剥離剤を塩ビシートに塗布し、30分程度待って軟化させてから剥離作業を行うもので、剥離剤の塗布時は作業員1人がエレベーター外から内部の作業員に声をかける等により安全確認を行う手順であったが、災害発生当日被災者2名は、ビル内店舗が一部営業中であったこと等からエレベーター内で扉を閉めた状態で作業を行っていた。2名はそれぞれ有機ガス用防毒マスク(既に破過していたことが後に判明)、簡易防じんマスクを着用して作業を行った。別の作業員が、被災者らに連絡が取れず不審に思い、エレベーター扉を開けたところ、仰向けに倒れた状態の被災者らを発見した。救急隊が到着時、2人とも心肺停止状態であり、急性有機溶剤中毒による死亡が確認された。 |
原因
1 | 送排風機等による全体換気を行う予定であったにもかかわらず、災害時、送排風機を使用していなかったこと。 |
2 | 被災者が、有効な吸収缶を取り付けた防毒マスクを着用していなかったこと。 |
3 | 作業員が2人ともエレベーター内で扉を閉じた状態で有機溶剤作業を行ったこと。 |
対策
1 | 剥離剤について、リスクアセスメントを行い、有害性の低いものを使用する。 |
2 | 有効な防毒マスク、送気マスクを使用し、吸収缶は破過時間について適切に管理を行う。 |
3 | 送排風機等による全体換気を行う。 |
4 | 作業員1人はエレベーターのかごの外で待機させ、安全状況を確認する。 |