原薬製造作業中に急性シアン中毒となる
業種 | 医薬品製造業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101481
発生状況
本災害は、工場内での原薬の製造作業中に発生した。 被災者は、原薬に含まれる不純物の除去作業及び乾燥作業を行った。作業は、まず原薬(約150 kg)にアセトニトリルを加えて、不純物をアセトニトリルに溶かし、その後遠心ろ過装置によるろ過作業を行い、アセトニトリルを取り除くことによって不純物を取り除く。次に、遠心ろ過後のウェットケーキ状の原薬を、ひしゃくで汲み出し、ファイバードラムで乾燥室に運び、乾燥用皿に移して手で均一な厚さにならした後、乾燥機に入れるというものである。この作業を防毒マスク、手袋を着用して約2時間行った。当該作業には途中まで上司が立ち会っていた。 被災者は、作業終了後帰宅してから嘔吐を繰り返すなど体調不良となり、翌日救急搬送され入院し、急性シアン中毒と診断された。 |
原因
1 | 作業場及び乾燥室に有効な換気設備が設置されておらず、アセトニトリルが滞留していたこと。 |
2 | 防毒マスクの吸収缶の交換時期が明確に定められておらず、個人の感覚に任せていたため、適切な交換がなされなかったこと。 |
3 | 皮膚からの吸収を防ぐための保護具が着用されていなかったこと。 |
4 | 取扱い物質の危険有害性に関してリスクアセスメントを実施していなかったこと。 |
対策
1 | 作業場及び乾燥室に適切な局所排気装置を設置すること。 |
2 | 防毒マスクの吸収缶の交換時期を作業毎に決め、作業標準に盛り込むこと。 |
3 | 防護ゴーグルや面体つき防毒マスクの着用を徹底させること。 |
4 | 化学物質を取扱う作業についてリスクアセスメントを実施すること。 |