研究施設で材料の開発実験中に爆発し手指を負傷
業種 | 教育・研究業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 爆発性の物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | 憶測判断 | |||||
発生要因(管理) |
No.101479
発生状況
本災害は、大学の研究施設内で材料の開発実験中に発生した。 被災者は、リチウム電池の正極材料の研究開発を行う実験の一環として、鉄とフッ化リチウムの混合微粒子を精製するために、スケールの小さい予備実験を問題なく行った後、アジ化リチウムと三フッ化鉄を混合し、ボールミル装置で混合、粉砕した。この密閉容器に入った混合試料約9gをグローブボックス装置内で開け、乳鉢からガラス瓶に金属性スパチュラで入れている際、混合試料が爆発し手指の切断を伴う負傷をした。 |
原因
1 | アジ化物の危険性の検討は行っているものの、アジ化物を取り扱う際の注意事項を作成しておらず、関係労働者に周知徹底していないこと。 |
2 | 実験を行う前に当該実験に使用する化学物質の取扱いに関するリスクアセスメントを実施していないこと。 |
3 | 研究の承認は行われているものの、混合試料の精製量を増加する等、実験方法を変更する際、当該研究室の責任者に相談していないこと。 |
対策
1 | アジ化物を取り扱う際の注意事項を作成し、関係労働者に周知徹底すること。 |
2 | 実験を行う前に当該実験に使用する化学物質の取扱いに関し、危険有害性、設備、実験方法を考慮してリスクアセスメントを実施すること。 |
3 | 実験の過程で使用量等作業法を変更する際は、責任者に報告し、許可を得ること。 |
4 | 新規の実験について、使用する化学物質の危険有害性の安全確認手法及びルールを定め、関係労働者に周知徹底すること。 |