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労働災害事例

溶接工場において、フィルターの交換作業中、一酸化炭素中毒となる

溶接工場において、フィルターの交換作業中、一酸化炭素中毒となる
業種 機械(精密機械を除く)器具製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101473

発生状況

 本災害は、溶接工場において、連続自動ろう付溶接装置のフィルターの交換作業中に発生した。
 この工場では、連続自動ろう付装置で溶接を行っているが、ろう付けを行うため、装置内部を830℃まで加温するとともに、その際の半製品の酸化を防止するため、プロパンガスを燃焼して得られるDXガス(主成分:窒素、一酸化炭素、二酸化炭素)を装置内部に供給している。災害発生当日、DXガスの煤除去に使用しているフィルターの交換作業を行うため、フィルター格納容器前後のボールバルブを閉め、格納容器の蓋を開けてフィルターを交換しようとした際に、フィルター格納容器内部に滞留していたDXガスを吸い込み意識を失ったため、救急車で搬送され、一酸化炭素中毒と診断された。

原因

1 フィルター格納容器内部に滞留したDXガスを除去する設備がなかったこと。
2 フィルター交換作業の作業手順書が定められておらず、危険な作業方法での作業が放置されていたこと。
3 安全衛生教育が不十分であり、労働者に作業中の危険性の認識がなかったこと。

対策

1 適切な換気設備等を設置すること。
2 危険作業の作業手順書を作成するとともに、現場で実際に行われている作業方法等について指導すること。
3 作業中の危険性について繰り返し教育を実施し、安全意識の低下を防止すること。
4 フィルター交換台帳を作成し、交換作業の管理を行うこと。