ロール機を清掃する際、運転停止操作後の惰性で回転中のローラーに、手の指が巻き込まれた
業種 | 化学工業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | ロール機(印刷ロール機を除く。) | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 運転中の機械、装置等の掃除、注油、修理、点検等 |
No.101469
発生状況
被災者は、ゴム成形用のロール機の清掃を行っていた。同僚が、停止スイッチを押したことを確認した後、ローラー上部のゴム寄せと呼ばれる部品に付着したゴムを取ろうと手を伸ばしたところ、惰性で回転中のローラーに手が巻き込まれ、手の指を切断した。 尚、当該ロール機には急停止機構が設置されていたが、急停止機構は常に使用することはなく、通常の機械停止スイッチで動力を切断した後も20秒程度、ローラーは惰性で回転していた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 対向するローラーの隙間にはさまれる危険に対する、安全カバーや安全柵がなかったこと。 |
2 | ローラーが完全に停止したことを確認せず、回転部分であるローラーに手を入れたこと。 |
3 | 急停止装置を使用せず、通常の運転停止操作を行ったため、清掃作業開始時に、ローラーが惰性で動いていたこと。 |
4 | 安全教育が十分でなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 対向するローラーの隙間に、安全カバー若しくは安全柵を設置すること。 |
2 | 危険個所に身体の一部または全部を入れる場合には機械を完全に停止させ、不意に作動することがないようにすること。 |
3 | 清掃、調整等のためにロール機を停止させる際は、急停止機構を作動させ、急停止機構の停止操作により直ちに機械が停止するように、作業手順を変更すること。 |
4 | ヒューマンエラーに留意したフェールセーフな仕組みを構築し、非定常作業を含んだ作業標準を作成し、必ず守るべき事項を明文化し労働者に周知、徹底すること。 |