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労働災害事例

殺菌水生成装置の次亜塩素酸ナトリウムタンクへ塩酸を補充してしまい塩素ガス中毒

殺菌水生成装置の次亜塩素酸ナトリウムタンクへ塩酸を補充してしまい塩素ガス中毒
業種 その他の食料品製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥
発生要因(人) 心理的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る

No.101430

発生状況

 作業者が野菜等の殺菌に使用する殺菌水を作る殺菌水生成装置(同装置の右側に次亜塩素酸ナトリウム液のタンクが、左側に塩酸液のタンクが接続されている)の次亜塩素酸ナトリウム液の残量が少ないことを確認した被災者は、次亜塩素酸ナトリウム液を補充しようとした。その際、誤って塩酸を補充してしまい、塩酸と次亜塩素酸ナトリウムの化学反応により塩素ガスが発生し、当該ガスを吸引して被災した。喉の痛み等の症状を訴え、9日間の休業となった。

原因

1 被災者が、補充するタンクの照合・確認を行わなかったこと。
2 特定化学物質の第3類物質である塩酸を取り扱うにあたり、特定化学物質作業主任者を選任していなかったこと。
3 作業手順書に補充作業についての具体的な確認方法、各補充液の保管場所、補充方法などが記載されていなかったこと。
4 特定化学設備の届出を所轄の労働基準監督署に届け出ておらず、殺菌水生成装置の設置にかかる審査を受けていなかったこと。
5 安全衛生教育が不十分であったこと。

対策

1 特定化学物質作業主任者を選任し、作業実態に即した作業手順書を作成すること。
2 特定化学設備の設置等について、労働基準監督署に届け出ること。
3 塩酸液と次亜塩素酸ナトリウム液の容器を容易に区別できるような措置を講ずること。
4 定期的に安全衛生教育を実施し、労働者の安全衛生意識を高めること。