洗浄装置の清掃作業中に有機溶剤中毒となって死亡
業種 | 無機工業製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101429
発生状況
本災害は、金属製品の洗浄装置の清掃作業中に発生した。被災者1名が有機溶剤(トリクロロエチレン)を入れて使用していたアルミ部品を洗浄・脱脂する洗浄装置・エッチング槽(直方体の槽、上面開放面)の内部において、毎月行う掃除のため、底にたまっていた鉄くず・ヘドロをスコップでかき集める作業を行っていた。別の作業者が、洗浄装置から作業の音がしなくなったので洗浄装置をのぞいたところ、被災者は意識を失ってうずくまっており、呼びかけにも答えない状態だった。 病院に救急搬送され、入院加療したものの、18日後に有機溶剤中毒による多臓器不全で死亡した。 |
原因
1 | 当該作業は2人で行うこととなっていたが、被災当日は被災者1名で実施しており、洗浄装置自体の排気ファンを作動させていなかった。また、事業場には防毒マスクが準備されていたが、作業当時、被災者は呼吸用保護具を着用していなかった。 |
2 | 有機溶剤等使用の注意事項が掲示されていたが、有害性の認識が不十分であったこと。 |
対策
1 | 洗浄装置・エッチング槽の清掃は、装置自体の排気ファンを作動させた状態で、防毒マスクを着用して2名で実施すること。 |
2 | 有害物取扱業務については、「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に基づきリスクアセスメントを実施し、危険有害性のリスク評価及び低減措置を講じること。 |
3 | 有害物取扱業務に従事する労働者に対し、取扱い物質の有害性や作業方法等について必要な教育を行うこと。 |