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労働災害事例

大浴場の塩素注入器に薬剤を投入中、塩素ガスが発生し、気道熱傷となり入院

大浴場の塩素注入器に薬剤を投入中、塩素ガスが発生し、気道熱傷となり入院
業種 宿泊業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥
発生要因(人) 心理的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る

No.101426

発生状況

 本災害は、大浴場の塩素注入器に誤って違う薬剤を入れたところ、ガスが発生した。
 被災者は、ホテルの大浴場の機械室において、塩素注入器に薬剤A(次亜塩素酸ソーダを含有)の補充作業を行っているときに誤って、薬剤B(塩酸及び有機酸を成分とする)を入れたところ、塩素ガスが発生し、呼吸が苦しく、涙が止まらなくなった。救急車で病院に搬送され、気道熱傷と診断された。
 被災者は9日間の入院加療後、2日間自宅静養後、回復した。

原因

1 次亜塩素酸ソーダを含む薬剤Aが約半分くらい入っているタンク内に誤って、塩素、有機酸等を成分とする薬剤Bを注入し、塩素ガスが発生し、吸入したこと。
2 薬剤Bを箱から取り出し、表示のない状態で使用したため、見間違えやすかったこと。
3 薬剤(化学物質)の有害性、危険性、ばく露防止、保護具及び保管方法等について教育を行っていなかったこと。

対策

1 薬剤(化学物質)の補充方法の教育だけではなく、取り扱う薬剤の有害性、危険性、ばく露防止、保護具及び保管方法等も教育すること。
2 塩素注入器タンクに誤って違う薬剤(化学物質等)を注入しないよう塩素注入器タンクに表示するなど注意喚起を行うこと。
3 表示等のない薬剤を箱から出して保管しないこと。