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労働災害事例

牧場の分娩豚舎で、消毒用アルコールを移し替える作業中、薬物中毒症となり入院

牧場の分娩豚舎で、消毒用アルコールを移し替える作業中、薬物中毒症となり入院
業種 畜産業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥
発生要因(人)
発生要因(管理) 保護具、服装の欠陥

No.101424

発生状況

 本災害は、牧場の分娩豚舎内で、消毒用アルコールを移し替える作業中に発生した。
 牧場の分娩豚舎において、消毒用アルコール(イソプロピルアルコール(CAS 67-63-0, 第2種有機溶剤)50%含有)を貯蔵容器(20リットル容量のポリタンク容器)から、小分用容器(1リットル容量)に移し替える作業を行った作業者が、移し替え作業終了後しばらくしてから、めまい、吐き気等の体調不良を訴えたため、病院に搬送したところ、薬物中毒症と診断された。3日間の入院加療後に回復し、退院した。

原因

1 イソプロピルアルコールの補充作業時に防毒用マスクを着用させていなかったこと。
2 イソプロピルアルコールの保管容器に対する有害性表示が行われていなかったこと。
3 SDSの職場掲示が行われていなかったこと。

対策

1 消毒用アルコールについて、イソプロピルアルコールより毒性の少ない物質への代替について検討を行い、可能であれば代替物を使用すること。また、代替物への変更を行わない場合には、有機溶剤中毒予防規則に準じ、イソプロピルアルコールの容器への移し替え作業を行う際は、防毒マスクの着用等について検討を行い、ばく露防止措置を講ずること。
2 イソプロピルアルコールの保管容器に有害性に係る表示をすること。
3 イソプロピルアルコールに係るSDSシートを労働者の見やすい場所に掲示又は備え付けること。
4 イソプロピルアルコールに係るリスクアセスメントを導入すること。