廃液を水の入った廃液タンクに入れたところ、塩素ガス中毒及び化学性結膜炎となり入院
| 業種 | 教育・研究業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 100〜299人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | 危険な状態を作る | |||||
No.101421
発生状況
| 本災害は、香料の研究工程において、廃液を水の入った廃液タンクに入れたところ発生した。 香料の研究工程において、被災者が試薬として使用した塩化ホスホリルの廃液を、防火のために水を入れた廃液タンクに入れたところ、タンク内の水と反応し、塩化ガスが発生、ばく露した。被災者は救急車で病院に搬送され、診断の結果、「塩素ガス中毒及び化学性結膜炎の症状」と診断された。 被災者は、2日間入院加療後に回復し、退院した。 |
原因
| 1 | 廃液である「塩化ホスホリル」がポリタンク内に存在していた水と反応して塩化水素ガスが発生し、これを吸引したこと。 |
| 2 | 「塩化ホスホリル」が禁水物質であることについて、被災者が認識していなかったこと。 |
| 3 | 廃棄を指示した上司も、明確な指示を被災者に対して行わなかったこと。 |
| 4 | 被災者が禁水物質である「塩化ホスホリル」を単独で処理せず、禁水物質でないものの処理と同様に廃液タンクに投入したこと。 |
| 5 | 作業標準に禁水物質の廃液処理について明確な記載がなかったこと。 |
対策
| 1 | 禁水物質は禁水物質でないものと区分して廃液処理すること。 |
| 2 | 廃液処理の作業標準に禁水物質の処理方法を明確に記載すること。 |
| 3 | 作業標準に基づく廃液処理について、労働者に十分な教育を行うこと。 |
| 4 | 廃液タンクの処置を従来の方法と変更した場合は安全衛生教育を含めたリスクアセスメントを実施、危険、有害性を労働者の共通認識とし、災害防止を行うこと。 |
厚生労働省