塩化ビニル管更新のための採寸作業中に塩酸を浴び薬傷
業種 | 有機工業製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物自体の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 心理的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他の危険場所への接近 |
No.101420
発生状況
本災害は、工場内の配管を更新する工事中に発生した。当該事業場では製造工程の反応触媒として塩酸を使用しており、塩酸工程のタンクヤードにて、老朽化した硬質塩化ビニル管を塩化ビニルライニング鋼管へ更新する工事を行っていいた。協力会社の設計士が、塩酸タンクのバルブピット内の配管をスケッチするためにタンクヤードに入り、バルブピットを跨ぐ体勢で採寸しようとした際、硬質塩化ビニル管を折損し、噴き出した35%塩酸を浴び、薬傷を負ったもの。漏洩した35%塩酸は、プラント内の中和ピット等で全量回収され、工場外への排出、土壌汚染等はなかった。 |
原因
1 | 折損の危険性のある塩化ビニル配管を踏んだこと。 |
2 | バルブピットの奥行きは64cmと広く、跨ぐ形で縞鋼板の角に足を掛けた場合滑りやすく、採寸を行うには体勢に無理があったこと。 |
3 | 作業開始前の打合せを行わず、安全な作業方法を検討しないまま作業を行ったこと。 |
対策
1 | 特定化学設備の附属設備等の改造等の作業を行うときは、安全な作業方法、順序等を決め、関係作業者に対して周知すること。 |
2 | 折損の危険性のある塩化ビニル配管等に近接して作業を行うときは、安全ガードを設けるとともに、折損して被液することを想定し、不浸透性の保護具を使用させること。 |
3 | 法令及び工場内で定められたルールが順守されるよう、関係作業者に再発防止教育を行うこと。 |