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労働災害事例

ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の揮発物による角膜損傷

ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の揮発物による角膜損傷
業種 医薬品製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:6人
不休者数:1人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 物の置き方、作業場所の欠陥
発生要因(人)
発生要因(管理) 不安全な放置

No.101418

発生状況

 本災害は、医薬品製造工場で作業中に発生した。
 医薬中間体の製造工程において、反応促進のために使用するジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の入ったポリタンクが横転して漏洩し、揮発した際に7名の被災者の眼に入った。医療センターを受診し、角膜損傷と診断された。被災者のうち6名は入院し、1〜9日間の入院加療後に回復し、退院した。

原因

1 DCC入りポリタンクの転倒防止対策が取られていなかったこと。
2 処理時に熱水をかけたことにより、固化したDCCが再び溶解し揮発したため、被害が広がったこと。
3 DCCの漏洩が想定されていなかったため、漏洩時の措置については特段の手順書は作成されておらず、作業者に対する教育も行われていなかったこと。
4 顔と全面形防毒マスクの間の隙間から揮発したDCCが入ってきたこと。

対策

1 DCC入りポリタンクの転倒防止対策を取ること。
2 リスクアセスメントを実施し、非定常作業も含めた実効あるばく露防止対策(作業手順書の作成を含む)を取ること。
3 作業者に対してDCCの有害性、漏洩時の措置、ばく露防止対策等についての教育を徹底すること。
4 より密着性の高い適切な保護具を着用すること。