ナイロン工場において、ラウロラクタムが漏洩して発火
業種 | 無機工業製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 1000人以上 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の危険物、有害物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 火災 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物自体の欠陥 | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) | 機械、装置等の指定外の使用 |
No.101417
発生状況
本災害は、ナイロン工場で、漏洩したラウロラクタム(CAS 947-04-6)が突然発火し、火災が発生した。 ナイロン工場において、ラウロラクタム重合塔の液面レベル計低下の警報が計器室で確認された。担当者が確認したところ、ラウロラクタム予熱器への供給配管のフランジ部分からラウロラクタム(配管内のラウロラクタム温度286℃)が床面に漏れ出ているのを発見した。同日の夕方、ラウロラクタムの供給ポンプ停止作業中に漏洩していたラウロラクタムが突然発火し、火炎が1m程度上がったため、消火器で消火を行った。その後もフランジ部分から漏れ出るラウロラクタムから断続的に火炎が上がったため、その都度、消火器で消火し、当日夜鎮火が確認された。 |
原因
1 | 施設管理部で作成された管理規程で定められたガスケットを施工業者が取り付けたものの、フランジに適合しないJIS規格値より小さいガスケットであったため、ガスケットが破損して、ラウロラクタムがフランジ部分より漏洩し、直下の保温材に浸み込んだラウロラクタムが保温材内で蓄熱して自然発火温度に達して事故発火し、火災が発生した。 |
対策
1 | ガスケットの交換を行う際には、JIS規格値に適合したガスケットが確実に使用されるよう管理規程等の見直しを行い施工すること。 |
2 | 漏洩箇所のフランジ部分に取り付けられたガスケットが破損しないよう配管ルートの見直しを行うこと。 |
3 | ラウロラクタムが配管から漏洩した場合に自然発火による発火の可能性を考慮した再発防止対策を検討すること。 |
4 | 関係労働者及び施工業者等に対し、配管からラウロラクタムが漏洩しないよう管理方法や施工方法等の手順書を定め、定められた手順書を基に関係労働者に対し教育を実施すること。 |