新築工事現場の浴室の防水工事の作業中、有機溶剤(トルエン)中毒となり入院
業種 | 建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101416
発生状況
本災害は、新築工事現場の浴室の防水工事で、塗料の塗布作業中に発生した。 被災者は新築工事現場の浴室の防水工事において、壁面にプライマーと呼ばれる塗料を手持ちのローラーを使用して塗布する作業を一人で始めた。他の職人が作業に訪れたところ、浴室内に溶剤臭が充満しており、被災者が倒れているところを発見した。被災者は病院に搬送され、「有機溶剤(トルエン)中毒、一過性意識障害」と診断された。2日間入院加療後に回復し、退院した。 |
原因
1 | 使用していた塗料に、第2種有機溶剤のトルエンが49%、酢酸エチルが15%以上含まれていたこと。 |
2 | 有機溶剤業務について、換気を行っていなかったことにより、塗料に含まれていた有機溶剤の蒸気が浴室内に滞留したこと。 |
3 | 防毒マスクまたは送気マスクを着用して作業していなかったこと。 |
4 | 事業主の有機溶剤の有害性についての認識が不十分であり、作業者に対する有機溶剤取扱い上の注意事項、中毒発生時における処置等の安全衛生教育を行っていなかったこと。 |
5 | 有機溶剤作業主任者を選任しておらず、作業の安全についての検討がされていなかったこと。 |
対策
1 | 屋内で有機溶剤を取り扱う業務については、窓等の開放を行うとともに、ブロアー等で強制換気等を行い、有効な保護具の使用を徹底すること。 |
2 | 屋内作業において、有機溶剤を用いる塗装作業は有機溶剤作業主任者を選任し、ばく露防止のための換気方法、作業方法等を事前に検討すること。 |
3 | 作業者に有機溶剤の中毒防止のための安全衛生教育を行うこと。 |
4 | 元請は下請けに対して、有機溶剤中毒防止のための安全衛生教育、換気の方法、保護具の適切な選択と使用方法などについて、指導援助を行うこと。 |