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労働災害事例

コンクリート擁壁の天端周辺で、乗用草刈機により草刈り作業を行っていたところ、コンクリート擁壁の端部から墜落した

コンクリート擁壁の天端周辺で、乗用草刈機により草刈り作業を行っていたところ、コンクリート擁壁の端部から墜落した
業種 その他の事業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の動力運搬機
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) その他の危険場所への接近

No.101409

発生状況

 被災者は、乗用草刈機を運転して草を刈っていた。
 尚、傾斜地は、幅約3mで、勾配は約9度、傾斜地の先は高さ約3mの擁壁となっており、柵が設置されていない箇所もあった。
 発生状況の詳細は以下のとおり。
1 被災者は乗用草刈機が右に傾斜することになる傾斜地を駐車場の外周に沿って草刈りをしていた。
2 乗用草刈機は前部から墜落した。
3 墜落した乗用草刈機は、前部から墜落した後、前方に倒れて、左に横転した。
4 被災者は草刈りを終え、駐車場に戻るため、部分的に広がっている傾斜地を利用して、乗用草刈機を180度方向転換しようとしていた。
5 傾斜地に乗用草刈機を1回で180度方向転換する広さはなく、切り返しを行っている途中等に、運転を誤ってコンクリート擁壁天端から墜落した。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 直接的原因
(ア) 乗用草刈機の使用限度(10度の傾斜地まで)に近い傾斜地において、コンクリート擁壁の天端周辺の狭隘な場所で乗用草刈機を運転したこと。
(イ) コンクリート擁壁の端部に墜落防止措置を講じていなかったこと。
(ウ) 乗用草刈機のロールバーを取り外していたこと。
2 間接的原因
 安全衛生体制が確立しておらず、十分な安全教育が行われていなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 急な斜面、コンクリート擁壁の端部周辺の狭隘な場所において、乗用草刈機による草刈り作業を行わせないこと。
2 コンクリート擁壁端部周辺に労働者を立ち入らせる場合は、墜落防止措置を講じること。
3 乗用草刈機のロールバーを取り外さないこと。
4 安全衛生体制を確立し、乗用草刈機の使用について安全衛生教育を実施すること。