投入コンベアを停止させずにローラー部の掃除を行っていたところ、右腕から胸のあたりまでを巻き込まれた
業種 | 清掃・と畜業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 動力運搬機 | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 運転中の機械、装置等の掃除、注油、修理、点検等 |
No.101407
発生状況
被災者は、単独で、破砕機の投入コンベアのリターンローラー部に付着した石膏粉を、ワイヤブラシを用いて擦り落として除去する際、投入コンベアを停止させずに作業したため、リターンローラー部とコンベアベルトの間に、ワイヤブラシごと右腕から胸のあたりまでを巻き込まれたもの。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 投入コンベアのリターンローラー部に、覆い、囲い、あるいは巻き込み防止ブロック等が設けられていなかったこと。 |
2 | 投入コンベアのリターンローラー部を掃除する際、当該コンベアの運転を停止しなかったこと。 |
3 | 投入コンベアのリターンローラー部を掃除する際、リターンローラー部に巻き込まれるおそれがあるにもかかわらず、皮手袋を着用したこと。 |
4 | 事業場における「安全に係るルール(安全5項目:回転部には近づかない、点検補修時には電源ロックを行う、補修時は3人以上で作業を行う、報・連・相の徹底等)」が定められているが、それが順守される体制(補修時は3人以上で行うとされているが、誰が補修作業に加わるのか明確になっていないこと等)となっていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 回転部に巻き込まれるおそれが想定される箇所には、覆い、囲い、あるいは巻き込み防止ブロック等を設けること。 |
2 | 機械の掃除等の作業を行う際、作業者に危険を及ぼすおそれがある場合は、機械の運転を停止させ、電源ロックを励行すること。 |
3 | 投入コンベアのリターンローラーを、石膏粉が付着しないものに替える等、危険作業の除去低減対策を講じること。 |
4 | 設計時、設備導入時等に、導入設備における作業(非定常作業を含む)に係るリスクアセスメントを実施し、潜在的危険有害性を把握し、その除去低減対策を講じること。 |
5 | 回転部に巻き込まれるおそれのある箇所に近寄らないよう、作業者に徹底させること。 |
6 | 作業において回転物に手が巻き込まれるおそれがある場合は、作業者に手袋を着用させないこと。 |
7 | 事業場で定めた「安全に係るルール(安全5項目)」が確実に履行されるよう、対応時の体制の明確化、電源ロック実施作業に係るチェックリストの作成等、安全管理体制の整備を図ること。 |