柵を乗り越えて自動プレス機の供給材料位置を修正した被災者が、自動起動したプレス機に挟まれた
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 一般動力機械 | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 運転中の機械、装置等の掃除、注油、修理、点検等 |
No.101406
発生状況
被災者は、自動運転により建材をプレス加工するホットプレス機の運転を担当していた。ホットプレス機には、ローダーから建材(パネル)が供給されるが、所定の位置に供給されなかったため、光電センサーがこれを感知し機械が停止し、警報ブザーが鳴った。 被災者は、警報ブザーを停止した後、材料の位置を修正するために、ホットプレス機の周囲に設けられた柵を乗り越えてローダーとプレスの間に立ち入り、パネルの位置を修正するために使用するカギ棒を用い、被災者はパネルの位置を修正した。 これにより、センサーによる停止が解除され、機械が再起動し、ローダーとホットプレス機の間に設けられている可動式の遮熱板が上昇し、被災者は遮熱板に持ち上げられ、上部にあった電気配管と遮熱板の上端に挟まれた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | トラブル対応時、ホットプレス機の運転を停止することなく機械の内部に立ち入ったこと。 |
2 | 機械に設けた柵内に立ち入る際、所定の扉部分から立ち入らなかったこと。 |
3 | 柵が乗り越えられる高さであったこと。 |
4 | 作業者が、機械の自動運転が停止しているかどうか、容易に認識できなかったこと。 |
5 | 非定常作業に係るリスクアセスメントが行われていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | プレスの所定位置にパネルが収まらずに警報が鳴った際、自動運転が停止し、手動による再起動操作を必要とする設定とすること。 |
2 | 柵内に立ち入る際、所定の扉から立ち入るように、教育を徹底すること。 |
3 | 機械に設けた柵を乗り越えることができない高さ・構造とすること。 |
4 | 作業者に、ホットプレス機が自動運転を継続していることが、容易に認識できるような表示を設けること。 |
5 | 機械内部に立ち入ることなくパネルの位置を修正できる作業方法、設備に改善すること。 |
6 | 非定常作業に係るリスクアセスメントを行うこと。 |