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労働災害事例

停止させた木屑焚ボイラーに木屑を投入したところ、炉内で爆発が発生した

停止させた木屑焚ボイラーに木屑を投入したところ、炉内で爆発が発生した
業種 その他の事業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 炉窯等
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る

No.101403

発生状況

 工場内にある木屑焚ボイラーのメンテナンスを行うため、当該ボイラーを停止し、炉内の温度を低下させるため、作業員は「誘引ファン」と呼称される排気装置を作動させ、冷却用の外気を取り込む目的で、下部点検口をわずかに解放して帰宅した。
 その約12時間後、被災者は木屑投入部からバーナーまで伸びている管に残っていた木屑を、炉内に投入した。この時、作動していたはずの誘引ファンが止まっており、被災者は、ボイラー内部の冷却のため、当該ボイラーの下部点検口を解放し、誘引ファンを再度作動させた。
 その後、被災者は、誘引ファンの稼動状況を確認するため、下部点検口付近を通過したところ、炉内で発生した爆発により点検口から噴き出た熱風にさらされ、火傷を負った。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 ボイラー停止後に誘引ファンが止められたため、ボイラーの冷却がなされなかったこと。
2 ボイラーをパージせずに燃料の木屑を投入したこと。
3 ボイラー内部に可燃性ガスが発生していることに気づかず、ボイラー下部の点検口を解放し誘引ファンを運転したため、ボイラー内部に酸素が供給され、可燃性ガスに引火して爆発したこと。
4 ボイラー停止後の作業手順が、文書等により明確化されていなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 燃料をボイラーに投入する前には、必ずパージすること。
2 木屑焚ボイラー停止後、下部点検口は解放し、誘引ファンを運転しボイラーの冷却を行うとともに、可燃性ガスの発生と滞留の防止を行うこと。
3 ボイラー停止後の措置について、作業手順を明文化(文書化)し、労働者に周知徹底すること。