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労働災害事例

逸走したパッカー車を押さえていた被災者は、パッカー車とともに路肩から下の田へ転落した

逸走したパッカー車を押さえていた被災者は、パッカー車とともに路肩から下の田へ転落した
業種 貨物取扱業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 動力運搬機
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥
発生要因(人) 心理的原因
発生要因(管理) その他の不安全な行為

No.101401

発生状況

 被災者は、会社敷地内の駐車場にて、ごみ収集車(パッカー車)のブレーキランプの電球を交換し、同僚作業者と車外で点灯状況を確認していたところ、パッカー車がゆっくりと後方に下がり始めた。
 被災者と同僚作業者は2人でパッカー車の後退を押さえようと、車外(運転席の側方)でパッカー車を押さえたものの止まらず、転落の危険を察知した同僚作業者が、パッカー車を押さえていた被災者を引き離したが、被災者は敷地境界の路肩から足を踏み外し、パッカー車とともに路肩から約1.5m下の田へ転落した。
 尚、パッカー車には輪止めの措置は講じられておらず、パッカー車のギアはニュートラルであった。また、パッカー車が敷地境界の路肩から転落した際、サイドブレーキは解除されていた。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 墜落の恐れのある路肩付近で、パッカー車の電球交換作業を行っていたこと。
2 逸走防止措置が講じられていないパッカー車のサイドブレーキを解除し、運転席を離れたこと。
3 車両の点検整備は平坦な場所で行うこと等が記された、車両の整備作業に関する作業手順書が順守されていなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 墜落等の恐れのある場所には、立入禁止や手摺りの設置等、墜落を防止するための措置を講じること。
2 運転者が車両の運転席から離れるときは、サイドブレーキを確実にかけさせること。また、車両整備作業を行うときは、車両に輪留めをかける等、逸走防止措置を講じること。
3 車両整備を行うときは、作業手順に基づき、平坦な場所で行わせること。
4 作業内容に応じた作業スペースの確保及び重量物の取り扱い、共同作業を行う場合の危険性等に配慮し、多岐に亘る作業に関する作業手順書を作成し、関係労働者に周知すること。
5 リスクアセスメントに基づく労働災害防止対策を講じること。