車両甲板にて、逸走したトラクタの運転席側面と左舷側壁面の間に挟まれた
業種 | 貨物取扱業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 動力運搬機 | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 心理的原因 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101399
発生状況
本災害は、被災者が着岸したフェリーの車両甲板からトレーラを降船させるため、当該トレーラにトラクタを連結している作業中に発生した。 被災者は、当該トラクタとトレーラを連結した後、当該トラクタとトレーラのブレーキ系統を繋ぐエアサービスバルブが開放されておらず、トレーラが制動され発車できない状態にあったため、エアサービスバルブを開放しようと運転席を離れ、運転席後部のエアホース等の設備がある箇所に戻り、エアサービスバルブを開放した。これにより、連結車両を制動していたブレーキも解除された。 すると、当該トラクタとトレーラは、車両甲板船尾方向へ逸走を始めた。被災者は、これを止めようと運転席に戻ろうとしたが、当該トラクタ運転席側面と車両甲板左舷側壁面との間で、壁面に背を向けた状態ではさまれた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 被災者が、定められた作業手順通りに作業を行わず、他の逸走防止措置を施すことなくエアバルブを解放したことにより、結果としてブレーキが解除され、連結車両が逸走したこと。 |
2 | 事業場の安全管理体制が成熟しておらず、労働者の安全意識を向上させる方策をとっていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 車両を停車させる際は、運転手に、停車状況に応じた有効な制動措置を確実に行わせること。 |
2 | トラクタとトレーラの連結に係る作業手順書を作成し、作業手順書に係る安全教育を反復継続して行うこと。 |
3 | 労働者の不安全行動を防止するための安全教育を始め、労働者の安全意識の高揚を図る方策を講じること。 |