傾斜地でフォークリフトが転倒し、運転していた被災者が下敷きとなった
業種 | 商業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 動力運搬機 | |||||
災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101394
発生状況
事業場の構内で転倒したフォークリフトのヘッドガード部に胸部をはさまれた被災者が発見された。 本件災害は、朝礼開始前に発生したこともあり、災害発生時の被災者の作業状況を目撃した者はいないが、転倒したフォークリフトの状況、付近に置かれていたコンテナの向き、災害発生場所は傾斜していること、災害発生場所で通常行われているコンテナの方向転換作業等を勘案すると、フォークリフトの方向転換を行う際、フォークリフトがバランスを崩して転倒し、運転席から投げ出された被災者が、転倒したフォークリフトのヘッドガードの下敷きになったと推定される。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | コンテナの向きを変えるにあたり、作業場所の広さや状況(傾斜地)に応じた作業計画が定められていなかったこと。 |
2 | フォークリフトを傾斜地で方向転換させるにあたり、誘導者の配置がなかったこと。 |
3 | フォークリフトを用いて行う作業に伴う危険性等を評価し、関係労働者に周知していなかったこと(リスクアセスメントの未実施)。 |
4 | 労働者のフォークリフト運転技能を向上させるための教育、及び労働災害防止に係る安全教育が不十分であったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | フォークリフトの運転は、最大荷重に合った資格を有している労働者に行わせること。 |
2 | フォークリフトを用いた作業を行わせる場合は、作業場所の広さや地形の状況のほか、フォークリフトの能力、荷の種類及び形状等を勘案し、フォークリフト作業計画を定め、当該作業計画に基づき作業を実施すること。 |
3 | シートベルトを装備しているフォークリフトの運転時には、シートベルトを着用すること。 |
4 | フォークリフトが転倒する恐れのある傾斜地でフォークリフトを用いた作業を行う場合は、誘導者を配置し、フォークリフトを誘導させること。 |
5 | フォークリフトを用いた作業を行う労働者に対し、フォークリフトの運転技能を向上させるための教育、及び労働災害防止等の安全教育を実施すること。 |
6 | フォークリフトを用いた作業に関し、フォークリフトの転倒等の危険を評価したリスク評価シートを作成し、関係労働者に周知徹底すること。また、把握された危険性等については、運行経路の高低差の解消や安全柵の設置に加え、作業方法・手順を確立し、安全教育を実施すると共に、保護具の着用等による危険性の低減対策を検討し、計画的に改善できるように取り組むこと。 |