入浴介助の際、車椅子からチェア浴椅子への移乗を介助したところ、腰部に強い痛みを感じた
業種 | 保健・衛生業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 起因物なし | |||||
災害の種類(事故の型) | 動作の反動、無理な動作 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他及び不安全な行動のないもの |
No.101384
発生状況
被災者は、浴室内で利用者の入浴介助を行っていた。車椅子からチェア椅子へ、もう一人の介護者と共に移乗を介助していたところ、利用者の上半身を抱え上げた際、腰部に強い痛みを感じた。病院を受診したところ、急性腰痛症と診断された。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 介護作業において、前屈み、中腰、腰を捻る(反らす)動作といった不自然な姿勢が繰り返されていたこと。 |
2 | 浴室の床面は滑りやすいため、被介助者の上半身を抱え上げた際、バランスを崩してしまったこと。 |
3 | 手摺りや支持台、立位保持を補助するリフト(スタンディングマシーン)等の福祉機器を活用しなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 浴室での移乗介助は、居室等における移乗介助の場合と状況が異なる点に十分留意すること。 |
2 | 被介助者を一人で抱え上げることはせず、必ず複数の介護者で介助すること。 |
3 | 手摺り、支持台、スタンディングマシーン、及び特殊浴槽等の福祉機器を活用すること。 |
4 | 耐滑性のある作業靴を履く、滑り止めマットを敷く等の滑り止め対策を行うこと。 |
5 | 入浴介助は体への負担の大きさに加えて、緊張度が高く、環境面からも疲労しやすいので、担当回数を調整する、他の担当作業との組み合わせを工夫するなど、介護者に過度な負担とならないように配慮すること。 |
6 | 浴室という高温多湿な場所での作業となるため、こまめな水分補給、作業後の冷え対策(水気や汗の拭きとり、着替え、水をはじくエプロン等の着用)を行うこと。 |