排水路のコンクリート床のはつり殻の掻き出し作業をしていたところ、重量約10tの側壁が倒れてきて、挟まれたもの
業種 | 建設業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 仮設物、建築物、構築物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他の危険場所への接近 |
No.101380
発生状況
雨水用排水路の改修工事において、被災者ら3名で、排水路のコンクリート床のはつり殻の掻き出し作業をしていたところ、取り壊し予定のなかった北西部のL字型の側壁(重量約10t、高さ約2m×長さ約8m×幅約0.25m)が倒れてきて、被災者が挟まれて即死した。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 側壁が傾斜し経年劣化していたため、排水路外側の土砂が側壁と基礎の間に入り込み、側壁内部の鉄筋が錆びて非常にもろくなっていたため、倒壊しやすい状況であったこと。 |
2 | 壁のすぐ側に設置されていたコンプレッサーの振動が、壁の倒壊を助長させた可能性があること。 |
3 | 側壁が倒壊する危険があった場所において、倒壊防止措置を講じないまま、労働者にコンクリートはつり作業、及び殻出し作業を行わせていたこと。 |
4 | 改修の程度(改修レベル)に応じた作業手順を作成していなかったこと。 |
5 | 解体工事の施工方法を変更したにもかかわらず、リスクアセスメントを実施していなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 壁が倒壊する危険のある場所で労働者に作業を行わせるときは、当該壁の倒壊防止措置を講じること。 |
2 | 改修レベルに応じた作業手順書を作成し、関係労働者に安全教育を実施すること。 |
3 | 壁の倒壊による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該壁の形状、き裂の有無、周囲の状況等を確認し、使用する機械の配置や立入禁止区域の設定等、作業計画を作成すること。 |
4 | 施工方法を変更した場合には、リスクアセスメントを実施し、作業に潜在する危険性又は有害性の除去等の措置を講じること。 |