被災者は、バリ取りのため、床上用研削盤を用い研磨作業を行っていたところ、といしが割れ、その破片が胸部を直撃した
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 研削盤、バフ盤 | |||||
災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等の指定外の使用 |
No.101375
発生状況
被災者は、就業開始時刻より、前日に搬入された鋳物製品を、床上用研削盤を使って研削加工していたところ、といしが破裂し、といしの破片が被災者の胸部を直撃した。破裂音を聞いた同僚が、音が発生した方を見ると、被災者が倒れており、直ちに救急搬送されたものの、搬送先病院にて胸腔内出血等のため死亡した。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 研削盤の最高限度の周速度以下の最高使用周速度の研削といしを使用していたこと。 |
2 | 研削盤を用いた研削作業において、覆いに調整片が取り付けられていない不安全な状態で、作業を行わせたこと。 |
3 | 当該作業に関する安全作業標準を作成せず、作業を行わせたこと。 |
4 | といしの交換業務に関する特別教育を行っていなかったこと。 |
5 | 研削盤について、作動不良が発生した場合には修理・補修を行っていたものの、定期的な点検、及び研削といしの回転数の測定等を行っていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 研削盤の最高限度の周速度以上の最高使用周速度の研削といしを使用すること。 |
2 | 研削盤に調整片が取り付けられた覆いを設け、研削に必要な部分におけるといしの両面と覆いとの間隔を10o以下に調整し、常に有効な状態で使用させること。 |
3 | 研磨作業に関する安全作業標準を作成し、関係する労働者に周知・徹底させたうえで作業を行わせること。 |
4 | 研削といしの交換に関する業務は、特別教育修了者に行わせること。 |
5 | 研削といしについては、作業開始前及びといし交換後には、法令で定められた試運転を行うこと。 |
6 | 研削盤については、定期的点検を行うと共に、研削といしの回転数の測定等を行うこと。 |