横架材加工機全体が止まっていたため、乗っていた木材を乗せ直したところ、加工機全体が動き出し、自動送材装置の間に挟まれた
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の木材加工用機械 | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護措置・安全装置の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101373
発生状況
当該事業場では、木造家屋用の柱等のプレカット加工を行っている。横架材加工機からエラー音が鳴っていたため近づいたところ、自動送材装置に木材(21cm×10.5cm×2mのテストピース)が斜めに乗っており、横架材加工機全体が止まっていた。 そのため、被災者は、木材供給装置に乗せられている木材と自動送材装置の間に入り、斜めに乗っていたテストピースを手で正しく乗せ直したところ、自動送材装置のセンサーが感知して横架材加工機全体が動き出し、木材供給装置が次の木材を自動送材装置に寄せたため、被災者は自動送材装置と木材に挟まれた。 尚、木材供給装置と自動送材装置の一連の動きは、以下の通り。 ① 木材供給装置から、木材(本件においてはテストピース)が自動送材装置に乗せられる。 ② 自動送材装置のセンサーが反応し、木材が最初の木材加工用機械に送られると同時に、木材供給装置の木材が自動送材装置の脇にぴったりと寄せられ、木材供給装置のセンサーが反応すると停止する。 ③ 自動送材装置のセンサーの反応がなくなると、木材供給装置から木材が自動送材装置に乗せられる。 また、木材供給装置に木材を乗せた後は、加工済木材集積場所に排出されるまで、原則人手を介在する必要はない。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 木材供給装置(横架材加工機の自動送材装置)に、非常停止装置が設けられていなかったこと。 |
2 | 木材の乗せ直しの手順を、明確に策定していなかったこと。 |
3 | 機械の運転を停止していない状態で、容易に挟まれる位置に立ち入ることができたこと。 |
4 | 機械の操作及び作業の手順に関する教育が関係労働者に周知されていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 機械に挟まれる、又は巻き込まれるおそれのある場所に、非常停止装置を設置すること。 |
2 | 機械に挟まれる、又は巻き込まれるおそれのある場所には、インターロック等、機械の運転を停止しなければ、危険箇所に近づくことができないような柵等を設けること。 |
3 | 加工済木材集積場所でしか作業を行わない労働者に対しても、一連の木材加工用機械全体についての安全教育を行うこと。 |
4 | 木材の乗せ直し等、エラー発生時の作業手順を明確に定め、機械に表示する等により、周知、徹底すること。 |