テーブルリフターを上昇させ、油圧シリンダーの取り付け作業を行っていたところ、テーブルが床面まで降下し、被災者に激突した
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | テーブルリフター | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突され | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護措置・安全装置の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101372
発生状況
被災者4名は、実車風洞工場において、車両用油圧式テーブルリフターの点検作業(各部位の状態・動作の確認、油圧シリンダーの油漏れ確認・部品交換、油圧ユニットのオイル交換・部品交換、電気機器系統の状態確認等)を行っていた。 これらの作業は、テーブルと呼ばれる車両を載せる台を床面より1.5m上昇させ、テーブルリフターのアーム部分を収納するための深さ約1.5mのピットに入って行う。また、作業のため、テーブルを床面より1.5mの高さで停止させるため、ピット内に長さ3mの鋼管を立て、アーム末端のローラーが滑動しないように、木片を噛ませる措置を行っていた。 被災日、作業開始から1時間ほど経過した後、突然鋼管が横滑りしたことにより、荷重に耐えることができなくなったテーブルリフターが座屈し、アーム末端のローラーが滑動しないように噛ませていた木片が粉砕し、テーブルが降下したため、降下したテーブルに激突された4名の被災者は、打撲等を負った。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | テーブルリフターの降下防止措置として、テーブルリフターを支持するための鋼管を立てていたが、鋼管の両端を固定していなかったため、鋼管が外れたこと。 |
2 | アーム末端のローラーが滑動しないように木片を噛ませていたが、鋼管が外れたことで木片に荷重がかかり、耐え切れなくなった木片が粉砕したことにより、ローラーが滑動し、テーブルリフターの降下を引き起こしたこと。 |
3 | 作業手順、及び鋼管が外れた場合等異常時の措置が検討されておらず、作業を安全に行うための作業手順書も作成されていなかった。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 鋼管が外れることがないように、両端を固定する等の措置を講ずること。また、鋼管の材質は、強度に十分な余裕をもたせること。 |
2 | 万一鋼管が外れた場合でも、テーブルリフターの荷重に耐え得る強度を有する材質により、ローラーの滑動防止措置を講じること。 |
3 | テーブルリフターの点検工事におけるリスクアセスメントを実施し、リスクの低減措置等の検討を行うこと。 |
4 | 作業手順書を整備し、関係者に周知、徹底のうえ、作業手順書を基に、作業者への安全衛生教育を実施すること。 |