被災者は、屋上にて資材の受け渡しを行っていたところ、ゴンドラを固定していた突りょうが外れ、ゴンドラと共に地上へ落下した
業種 | 建設業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | ゴンドラ | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護措置・安全装置の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101371
発生状況
災害発生現場は、鉄筋コンクリート造地上6階建てマンションの外壁等補修工事現場であり、職長、被災者、労働者A、労働者Bの計4名でゴンドラの設置作業等を行っていた。 職長、被災者、労働者Aの3名は、マンションの既設エレベーターを使用して、ゴンドラを設置するための資材を屋上に持って上がった。被災者は、資材を屋上に届けた後、そのままエレベーターにて地上に降り、職長は、ゴンドラを設置しようとする箇所の屋上のパラペットの形状を確認した後、突りょうを取り付けた。 その後、職長は、地上に降り、屋上に残った労働者Aは単独でワイヤロープを地上に下ろす作業を行った。 地上にて、職長と被災者は、屋上から労働者Aが下ろしたワイヤロープと親綱をゴンドラに取り付け、ゴンドラに搭乗した。ゴンドラが屋上に到達したところで、職長は、更なる突りょうの取り付けのため屋上へ移動し、被災者はゴンドラに搭乗したまま、屋上の労働者Aに養生ネット等資材の受け渡しを始めた。 3〜4回資材の受け渡しを行った後、突然パラペットに取り付けていた突りょう2本が外れ、被災者はパラペット付近からゴンドラ及び突りょうと共に地上へ落下した。尚、被災者は作業服、保護帽、安全帯を着用していた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | パラペットに設置されていた突りょうの先端に「ゴムおもり」が取り付けられていなかったことにより、巻過防止装置が適正な停止位置で作動せず、ゴンドラが突りょうに接触し、力が加わったことにより突りょうがパラペットから脱落し、ゴンドラが落下した。 |
2 | 屋上のパラペットへ取り付けた突りょうの落下防止のため、躯体部分等へ緊結する台付ワイヤロープを取り付けていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | ゴンドラを使用する際には、ゴンドラに備えられた巻過防止装置を有効な状態で使用するため、巻過防止装置が有効な状態であるか否の点検、整備を行うこと。 |
2 | ゴンドラの設置に関し、突りょうの取り付けについては、その種類及び寸法が設置場所に適しているか、十分に確認したうえで確実に取り付けること。 |
3 | 突りょうの落下防止のために、躯体部分等へ緊結する台付ワイヤロープを取り付けること。 |
4 | ゴンドラ使用時等における落下防止のため、「可搬型ゴンドラの設置の安全基準に関する技術上の指針(技術上の指針公示第14号)」に留意のうえ、ゴンドラを設置すること。 |