クレーンを使用し、アウトリガーを最大張り出しの状態で荷をつり上げ、右旋回したところ、突然トラックが傾き、横転した
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 移動式クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等の指定外の使用 |
No.101370
発生状況
移動式クレーンの運転者は、つり上げ荷重2.93tの車両積載形トラッククレーンを使用して、ロール型ウエイト(重量:690s)、ロール(重量:963s)、ハンマー打ち架台(重量:380s)を所定の保管場所へ移動する作業を行っていた。 その際、保管場所には、別のウエイト(重量:1,200s)が保管されていたため、急遽これを本来あるべき保管場所へ戻そうと、トラックに積載しているクレーンを使用し、アウトリガーを最大張り出しの状態でつり上げ、ジブを伸長しながら右旋回したところ、突然、トラックが右側に傾き横転した。 尚、運転者は横転に気が付き、素早く避難したため間一髪難を逃れた。また、玉掛け作業を行っていた2名も、荷をつり上げた際、既に退避していたため被害はなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 移動式クレーンの定格荷重を超過している荷をつり上げたこと。 |
2 | 当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該貨物自動車の種類及び能力、荷の種類及び形状等に適応する作業計画を定めていなかったこと。 |
3 | 作業に従事していた労働者に対し、社内で作成した作業マニュアル(安全作業標準書)の周知が徹底されていなかったこと。 |
4 | 当該移動式クレーンに、異なった型式の定格総荷重表が表示されていたこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 移動式クレーンの定格荷重を超過して荷をつり上げないこと。また、必要に応じ、定格荷重に余裕のある移動式クレーンを使用すること。 |
2 | 貨物自動車を用いて作業を行う場合は、当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該貨物自動車の種類及び能力、荷の種類及び形状等に適応する作業計画を策定すること。 |
3 | 作業に従事する労働者に対し、移動式クレーンに係る安全教育を実施すること。 |
4 | 作業に従事する労働者に対し、作成した作業マニュアル(安全作業標準書)を周知・徹底すること。 |
5 | 当該移動式クレーンに、同型式の定格総荷重表を表示すること。 |