パレットに吊りチェーンを掛けつり上げようとしていたところ、クレーンが転倒し、クレーンの支柱とパレットの間に挟まれた
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等の指定外の使用 |
No.101366
発生状況
熱処理が終わった鋳鉄ピストンを移し替える作業において、被災者は、各段35個のピストンが載っている2段式パレット(上段にはダミーピストンが35個、下段には製品が34個とダミーピストンが1個)のうち、上段のパレットからダミーピストンを2個取り、そこにチェーンスリングのクランプを掛けた。 次いで、ダミーピストンが置かれたままの状態で、上段のパレットをクレーンでつり上げようとしたところ、クレーンが転倒し、クレーンの支柱とピストンが載ったパレットの間に挟まれた。 通常は、パレットの上に製品若しくはダミーピストンを置いた状態で、パレットをクレーンでつり上げることは行わないものであるが、被災者は、パレットとクレーンの間の位置に立ち、つり上げようとしたため、クレーンの支柱とパレットに挟まれた。また、パレットとクレーンの状態が確認できる位置で、クレーンの操作を行うとのことであった。 尚、被災者がクレーンでつり上げようとしていた荷は、パレット(重量49kg)とダミーピストン33個(1個あたりの重量:6.8kg)であり、総重量は273.4kgであった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | つり上げる荷の重さを確認せずに、クレーンの定格荷重を超える荷をつり上げたこと。 |
2 | 当該作業について作業手順書が作成されておらず、作業に従事する労働者が各々の判断で作業していたため、十分な安全措置がとられていなかったこと。 |
3 | 当該作業に従事する作業者に対して、クレーン作業に関する安全教育が不足していたこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | クレーンの定格荷重を超える荷をつらないこと。 |
2 | クレーン作業について、リスクアセスメントを実施後、クレーンの転倒防止対策を盛り込んだ作業手順書を作成し、労働者に周知すること。 |
3 | クレーンの安全作業について、定期的に安全教育を行うこと。 |