冷凍食品の製造ラインにおいて、水産物をフリーザーの投入口に並べる作業中に、気分が悪くなり、一酸化炭素中毒と診断された
業種 | 水産食料品製造業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他及び不安全な行動のないもの |
No.101365
発生状況
被災者は、水産物の冷凍食品製造ラインのフリーザーの脇に立ち、粉まぶし機で粉が付けられ、フライヤーで揚げられ、更にタレ機でタレが付けられた後の水産物を、フリーザーの投入口にまんべんなく並べる作業を行っていた。 ほどなく被災者は気分が悪くなったため、横になって休憩していたが、体調に回復がみられなかったため、救急を要請し、搬送先の病院で一酸化炭素中毒と診断された。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 災害発生直後の換気(給排気)設備の点検結果によれば、ダクトのフィルターが少し目詰まりしていたこと。 |
2 | 医師の意見、被災者の症状、及び被災者は非喫煙者であるため、COHb(カルボキシヘモグロビン:血液中の一酸化炭素ヘモグロビン量によって、体組織が酸素欠乏の状態になる量)の数値に煙草の影響はないこと等を総合的に勘案し、被災者は、冷凍食品加工室での作業中にフライヤーの不完全燃焼により発生した一酸化炭素を吸入し、一酸化炭素中毒の症状を呈したと診断された。但し、フライヤーが不完全燃焼した原因については、フライヤーの不具合や換気(給排気)設備の不備等が考えられるものの、断定はされていない。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | フライヤーのガスバーナーの燃焼異常の有無を、毎日確認すること。 |
2 | フライヤー(バーナー、排気煙道及び油煙抜きダクトを含む)は、定期的に点検及び清掃を行うとともに、点検及び清掃の結果、及び結果に基づき講じた措置を記録し、保存すること。 |
3 | 換気(給排気)設備は、定期的に点検及び清掃を行うとともに、所定の換気能力があることを確認すること。また、点検及び清掃を行った年月日、結果、結果に基づき講じた措置を記録し、保存すること。 |
4 | 空気中の一酸化炭素濃度を計測し、危険濃度を超えた際に警報を発する装置を設置すること。また、警報装置は定期的に点検し、正常に作動するかどうか確認すること。 |
5 | 2ヶ月に一度は、空気中の一酸化炭素濃度を測定すること。また、測定時間及び測定結果を記録し、保存すること。 |
6 | 一酸化炭素の性質、一酸化炭素中毒の症状と応急措置、及び一酸化炭素に係る警報装置の取扱方法等について安全衛生教育を実施すること。 |