トラック荷台のウイングルーフを上げ、荷台に頭を入れて積荷の状態を確認中、降りてきたウイングルーフとあおりに頸部を挟まれた
業種 | 貨物取扱業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | トラック | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行為 |
No.101350
発生状況
被災日前日の晩、被災者が運転するウイングルーフトラックは配送先事業所に到着した。 開門時間から2時間ほど経過したにもかかわらず、被災者のトラックが事業所内に入場して来ないため、別の運送会社の労働者が被災者を呼びに行ったところ、当該トラックは工場入口前の駐車場に駐車されたままとなっており、道路と反対側に回ってみたところ、ウイングルーフとあおりの間に頭部を荷台側にして頸部を挟まれている被災者を発見した。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | ウイングルーフは油圧で駆動しているが、警察による現場検証において、ウイングルーフを90度近くまで開けて止めたところ、5分くらいかけてゆっくりと下降した。また、当該車両のメーカーが行った開閉実験によれば、ウイングルーフを30度から40度に開けた状態で(自重により)降下した。 |
2 | 後日、ウイングルーフトラック製造会社が行った調査によれば、ウイングルーフの降下原因は、「作動油が劣化した環境下での、長時間使用によるO-リングの摩耗が原因と思われる」とのことであった。また、取扱説明書によれば、作動油は3ヵ月毎に点検・補充を行い、作動油は12ヶ月毎に交換するように記載されていた。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | ウイングルーフを開けた状態で作業を行う際は、作業を監視する者を配置したり、強固な安全支柱でウイングルーフを支える等、作業者がウイングルーフに挟まれることのないような処置を講じること。 |
2 | 取扱説明書の記載事項に従い、作動油の点検・補充、及び交換を行うこと。 |
3 | 作業者に対し、ウイングの構造や点検作業に関する教育を行うこと。 |