ウイングルーフトラックのウイング開閉装置を修理中、ウイングを支えていた角材が折れ、降下したウイングと荷台後扉に挟まれた
業種 | 貨物取扱業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | トラック | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行為 |
No.101348
発生状況
被災者は、後方右側の油圧シリンダーの修理作業中にウイングが降下しないように、足場として使用していたパレットの上に角材を立ててウイングの支柱とし、更にウイングの蝶番部分に短い角材をはめ、ウイングの降下防止を図った。 右側の油圧シリンダーを取り外した被災者は、後方左側の油圧シリンダーの修理にとりかかった。その際、左側のウイングを支えるため、角材を用意し、荷台の床に立て左側のウイングの支柱とし、蝶番部分に短い角材をはめた。 その後、被災者が油圧シリンダーを取り外したところ、それまで油圧シリンダーと支柱でウイングの荷重を支えていたが、油圧シリンダーを取り外したことにより、支柱に荷重が集中した。そのため、支柱でウイングの荷重を支えきれず、荷台の上に立てた左側の支柱が折れ、ウイングが降下し、パレット上で作業していた被災者が、荷台の後扉と左ウイングの間に挟まれた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | (貨物自動車の)ウイング開閉装置の修理作業にあたり、開閉装置により支持されているウイングが不意に降下することによる危険を防止することなく、ウイング下に被災者が立ち入ったこと。尚、修理のため開いていたウイングを支えるため支柱を立てていたが、十分な強度を有していなかったこと。 |
2 | ウイング開閉装置の修理作業にあたり、作業指揮者を決め、作業手順の決定、作業の直接指揮、安全支柱の使用状況の監視を行っていなかったこと(参照:労働安全衛生規則第百五十一条の十五)。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | (貨物自動車の)ウイング開閉装置の修理作業では、開閉装置によって支持されているウイングが不意に降下することがあるため、危険を及ぼすおそれのある箇所に立ち入らないこと。また、ウイングの降下防止のため、十分な強度を有する安全支柱等を使用すること。 |
2 | ウイング開閉装置の修理作業では、作業指揮者を決め、その者に作業手順の決定、作業の直接指揮、安全支柱等の使用状況の監視を行わせること。 |
3 | 上記1、2の事項について、労働者への教育を徹底すること。また、作業にとりかかる前に、十分リスクアセスメントを行うこと。 |