高圧ジェット水にて洗浄するため昇圧したところ、接続金具が外れ、噴出したジェット水又はホースの金具が被災者の頸部を直撃した
業種 | その他の事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の装置、設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 切れ、こすれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物自体の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等の指定外の使用 |
No.101341
発生状況
攪拌装置内部に付着した内容物を洗浄するため、敷設準備を行った後、(ノズルマンである)被災者自身が予備として持参していたロータリーガンを高圧ホースに接続した。しかし、この時ロータリーガンに接続されたニップルは200MPa用であり、高圧ホースには250MPa用を接続すべきであった。 洗浄準備完了後、合羽及びクールスーツを着用した被災者が槽内に入り、ジェット車搭載のポンプで圧力を調整するオペレーターが高圧ポンプを起動させ、昇圧操作を行い、目標値(200MPa)までエンジンのスロットル作業を行っていたところ、攪拌装置内から「パン」と弾けるような音が聞こえた。 直ちに監視人が装置内を覗いたところ、被災者がマンホールに向かって2、3歩進んだところで、膝をついてうずくまるように前のめりに倒れこんでいた。この時、ロータリーガンと高圧ホースの接続は外れていた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | ロータリーガンと高圧ホースの接続部分について、250MPa用のニップル(管状のねじ部品)を接続すべきところ、誤って200MPa用のニップルを使用したことにより、ねじの?み合い箇所が大幅に減り、ニップルと高圧ホースが外れてしまったこと。 |
2 | ロータリーガンの持ち出しやニップルの確認など、使用機材の事前の準備及び点検に関しての体制が整備されていなかったこと。 |
3 | 作業現場にて、接続部等についての始業前の点検がなされていなかったこと。 |
4 | 保護フレキを装着させていなかったこと。 |
5 | ニップルを、指定された締付トルクで接続していなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 高圧洗浄作業に伴う下記の危険有害業務には、法で定められた技能講習又は特別教育を修了した資格取得者(危険有害業務作業主任者)を作業主任者として配置すること。 |
2 | 始業前点検、及びオペレーター、監視人、並びにノズルマンの役割分担等の規定を含む作業手順書を作成すること。 |
3 | 機材の事前準備を行う際の管理体制を確立し、ダブルチェックの徹底等により、機材の数量及び種類に誤りがないようにすること。 |
4 | 作業手順書を作成し、管理体制を確立した上で、作業者に対しての教育を実施し、内容の周知徹底を行うこと。 |
5 | ニップルとホースとの組み合わせを誤ることのないように、圧力毎に色分けする等、簡易な方法で接続を確認できるようにすること。 |
6 | ニップルのねじの締付について、種類毎にトルクの管理を行うこと。 |
7 | 各々の作業について「どの圧力のホースを使用するのか」といった、200MPaと250MPaの使い分けの基準を明確化すること。 |
8 | 作業毎にリスクアセスメントを実施し、リスクを低減させる措置を確実に実行すること。 |