廃棄用ドラム缶内部で重合反応が起き、ドラム缶が爆発
業種 | 無機・有機化学工業製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 引火性の物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101334
発生状況
本災害は、分解ガソリン及びエチレンを原料として芳香族、スチレンモノマー、ジビニルベンゼンを製造している化学工場のジビニルベンゼン貯蔵用の低温倉庫において発生した。 工場敷地内の危険物屋内貯蔵所において、ジビニルベンゼン製造の中間工程で製造された反応油の一部を廃棄するため保管していたドラム缶25本が爆発した。 反応油はジビニルベンゼン製造の中間工程で廃棄用に取り除かれたもので、10日間保管している間にドラム缶内で重合反応が起き、その熱がドラム缶内に蓄積し、重合反応がさらに加速したことにより、ドラム缶が爆発した。 |
原因
1 | 反応油が重合反応を起こしたこと。 |
2 | 重合反応は温度、ポリマー濃度及び反応油の保管期間が密接に関係するが、事業場にその知識と危険性の認識が不足していたこと。 |
3 | 反応油にトラブルが生じた場合の安全な対応方法が検討確立されていなかったため、現場の判断で安易に反応油タンクを使用して反応油を貯蔵したこと。 |
対策
1 | 長期間にわたり重合物を含有する反応油を保管しないこと。 | |
2 | 取り扱う化学物質等の重合反応の危険性に関する教育を定期的に実施すること。 | |
3 | 反応油に不良品が発生するなどのトラブルが生じたことにより、作業変更等を行う場合の対応については、事前にその作業における危険性又は有害性等の調査を行い、その結果に基づき安全な作業方法を確立すること。 |