サイロ内で木炭の掘り起こし作業中に一酸化中毒になり死亡
業種 | 清掃・と畜業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 異常環境等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101332
発生状況
本災害は、産業廃棄物リサイクル施設内の建築廃材から木炭を製造する「炭化工場」と呼ばれる工場内において、製造した木炭を貯蔵してある鋼製サイロで発生したものである。 被災者Aは、鋼製サイロの1つが木炭の詰まりにより、排出口からの木炭の出が極端に少ないため、工場長Bおよび同僚の3名でサイロの清掃を行った。 いろいろ試してみたが詰まりが解消されなかったため、Aが1人でサイロ内に入ってスコップで木炭を掘り返した。一時サイロの外に出たが、暫くして再びサイロの中に入った。間もなく同僚がサイロ内を覗き込んだところ、Aが手足を広げてうつ伏せに倒れていた。 Bの指示で消防レスキュー隊を呼び救出されたが、Aは既に死亡しており、救助しようとしたBも一酸化炭素中毒症状を起こした。 |
原因
1 | サイロ内に一酸化炭素が充満していたが、事業場においてその状況を認識していなかったために、一酸化炭素中毒のおそれがあるにもかかわらず、サイロ内への明確な立入禁止措置を講じていなかったこと。 |
2 | サイロ内で作業する場合に、一酸化炭素濃度を測定せず、十分な換気を行わなかったこと。 |
3 | 被災者Aを救助するため、十分な換気措置を講じないまま、同僚およびBが一酸化炭素が充満するサイロ内に降りたこと。 |
対策
1 | 木炭貯蔵サイロのハッチを施錠するとともに、サイロの周囲にサイロ内への立ち入りを禁止する旨を掲示する等、労働者がサイロ内に立ち入らないよう措置を講じること。 | |
2 | 関係労働者に対し、木炭の製造工程において一酸化炭素が発生すること及びサイロ内において一酸化炭素が充満する可能性が高いことについて、周知徹底すること。 | |
3 | サイロ内で作業する必要が生じた場合に、事前に一酸化炭素の濃度を測定し、十分な換気措置を講じた後に作業を開始すること。 | |
4 | サイロ内の作業を外部業者等に発注する場合、サイロ内の一酸化炭素中毒等の危険性について情報提供を行うこと。 | |
5 | サイロ内等の空間において一酸化炭素中毒が発生した際に、十分な換気措置を講じないまま救助に向かった場合の二次災害の危険性について、関係労働者に周知徹底すること。 |