漏れたキシレンを拭き取る作業を行い、急性有機溶剤中毒になる
業種 | 医療保健業 | |||||
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事業場規模 | 1000人以上 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101330
発生状況
本災害は、大学病院において朝出勤したときに再生溶剤貯留タンクの蛇口からキシレンが漏れているのを発見し、床に漏れていたキシレンを拭き取る作業を行ったところ、その後頭痛・吐き気の症状が出たものである。 臨床検査技師である被災者が午前7時前に出勤したところ、薬液再生保管室の有機溶剤再生装置の付属品である再生溶剤貯留タンクの蛇口からキシレンが漏れており、タンクの下の床一帯が濡れていた。 上司に電話連絡し、清掃しておくようにとの指示を受けたので、午前7時頃から約30分間、床を紙タオルで拭き取る作業を行ったところ、頭痛・吐き気の症状に見舞われたものである。 作業は1人で行い、キシレンを拭き取った紙タオルは適宜ビニール袋に詰めた。また、被災場所である薬液再生保管室には局所排気装置が設置されており、常時稼働していた。 |
原因
1 | キシレン専用タンクであるとの表示があったものの、タンクの蛇口に耐キシレン性を有していないものが取り付けられていたため、タンク蛇口からキシレンの漏れが発生したこと。 |
2 | 床に漏れたキシレンを有効な保護具を着用しないままに、拭き取る作業を行ったこと。 |
3 | 当該非定常作業についての作業手順が定められておらず、適切な作業指示がなされていなかったこと。 |
対策
1 | キシレン用タンクには耐キシレン性を有する蛇口を取り付け、キシレン専用タンクである旨の明示を徹底すること。 | |
2 | 有害物を取り扱う際の有効な保護具の着用を徹底すること。 | |
3 | 非定常時に係る作業手順を定め、関係者に対し安全教育を実施する等の方法により、周知・徹底を図ること。 |