腐食性液体が配管から漏えいし、付近を通行していた労働者が被液
業種 | パルプ・紙製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101329
発生状況
本災害は、製紙工場のパルプ製造工程において、木材チップの蒸解に使用する水酸化ナトリウム等を含有する溶液を回収・再利用するラインで、溶液及び石灰の投入を行う配管が石灰により詰まり、当該配管の点検口より溶液及び石灰が漏えいしたものである。 漏えいした溶液は、強風によりミスト状に広く拡散し、付近を通行した製紙会社Aおよび構内下請会社Bの労働者計24名が顔や目に当該溶液を浴びて被災した。 |
原因
(1)直接原因 | |
1 | シュート(スクリューコンベアーより供給される生石灰をスレーカーと呼ばれる容器に落とすための円形配管)の径が供給する生石灰の量に比べて狭く、スレーカーまでの距離も長いことから、生石灰がうまく流れなかったこと。 |
2 | スレーカーからの蒸気によりシュート内は温度が高く、生石灰がスレーカー内に付着しやすい環境にあったこと。 |
(2)間接原因 | |
3 | シュート上部の点検口が密閉されておらず、内側からの溶液及び生石灰の圧力でシュート外部にこれらが漏えいしたこと。 |
4 | シュートの詰まりを検知し、異常を知らせるような警報装置や緊急停止装置等の安全装置がなかったこと。 |
5 | シュートの詰まりを防止するため、溶液をシュート内に供給していたこと。 |
6 | 設備が高所に設けられており、労働者の通路等も近く、さえぎる壁などがなかったことから、強風により広く拡散したこと。 |
対策
(1)直接原因 | ||
1 | シュートの形状・長さ・材質や生石灰の投入量を変更する等によりシュートの詰まりを防止する措置を講じること。 | |
(2)間接原因 | ||
2 | シュート上部の点検口の構造を改善する等により漏えいを防止する措置を講じること。 | |
3 | シュートの詰まりを検知する検知器や警報装置、緊急停止装置を設け、自動的に溶液や生石灰の供給を停止する等により漏えいを防止する措置を講じること。 | |
4 | シュートの異常等を早期に発見するため、シュートを含めた石灰投入ラインの機械設備について、点検項目、点検方法、点検回数等の作業標準を定め、関係者に周知すること。 | |
5 | 労働者が使用する通路について、溶液等に暴露するおそれがないよう、機械設備や通路について改善し、通路の有効保持を行うこと。 |