濃硫酸を船積みする準備作業中にバブルの閉め忘れにより濃硫酸が漏えい
業種 | その他の港湾運送業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101328
発生状況
本災害は、タンクに一時貯蔵していた濃硫酸を外国船に積む作業の準備中に発生したものである。 当該事業場では近隣の精錬所で製造された濃硫酸をタンクに一時貯蔵し、船積みする作業を行っている。タンクに一時貯蔵していた濃硫酸を「払出ライン」を通してポンプヤードに入れ、ポンプヤードのポンプにより濃硫酸を「船積みライン」に送り、船積みするが、ポンプヤードからタンクに戻る「戻りライン」のバルブを閉め忘れたため、別のタンクへ逆流し、同タンクの上部から濃硫酸が漏えいしたものである。 漏えいした濃硫酸は防酸堤(高さ1.8m)の内側にとどまり、外部への被害や人的被害はなかった。 |
原因
1 | 戻りラインバルブの開閉の方向を明確に表示していなかったこと。 |
2 | バルブ操作等の役割分担が明確でなく、二重のチェック体制が確立されていなかったこと。 |
3 | 特定化学物質作業主任者を選定しておらず、特定化学物質(濃硫酸)の管理体制が確立されていなかったこと。 |
4 | 濃硫酸の漏えいに係る警報装置が作動しなかったこと。 |
5 | 作業手順書の内容が濃硫酸の漏えいを防止するためには不十分であったこと。また、作業手順書を労働者に周知していなかったこと。 |
対策
1 | 戻りラインバルブの開閉の方向を明確に表示すること。 | |
2 | バルブ操作等の役割分担を明確にし、二重のチェック体制を確立するとともに、作業前のミーティング等で労働者に周知徹底すること。 | |
3 | 特定化学物質作業主任者を選定し、特定化学物質(濃硫酸)の管理体制を確立すること。 | |
4 | 警報装置が適正に作動するよう改修し、作動状況について定期的に点検すること。 | |
5 | 以上を踏まえ、濃硫酸の漏えいを防止するための作業手順書及び作業規程等を作成し、労働者に周知徹底すること。 |