有機溶剤を使用する作業に従事していた作業者に発生した肝機能障害
業種 | その他の事業 | |||||
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事業場規模 | 1000人以上 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101324
発生状況
本災害は、プリンタードラム用素材の研究開発業務に従事していた作業者において発生した。 被災者Aは、工場でドラム製造業務としてテトラヒドロフランを使用する有機溶剤業務に約16年間従事していたが、その間の有機溶剤特殊健康診断の結果では所見は認められなかった。 その後、本社で主にクロロホルムを使用する業務を局所排気装置が設置されていない場所で行ったところ、有機溶剤特殊健康診断の結果で肝機能の異常な数値が認められた。 肝臓の専門医を受診したところ、肝機能検査(血液検査)で異常が認められた。 |
原因
1 | 局所排気装置のフードが設置されていない実験台で有機溶剤業務を行ったこと。 |
2 | 会話時、息苦しいとき等に防毒マスクを外すことがあったこと。 |
3 | 保護メガネ、保護手袋は着用していたが、保護されていない皮膚に有機溶剤が接触することがあったこと。 |
4 | 前記1の有害作業を衛生管理者、産業医が把握していないこと。 |
5 | 有機溶剤作業主任者が有機溶剤に暴露するおそれのある作業について、危険有害性を認識せず、適切な作業方法を選択しなかったこと。 |
6 | 化学物質に係るリスクアセスメントが不十分であったこと。 |
対策
1 | 有機溶剤の発散源ごとに局所排気装置のフードを設置すること。 | |
2 | 防毒マスクの着用について、教育を実施し、管理者が着用状況を監視すること。 | |
3 | 皮膚への接触防止のため、保護メガネ、保護手袋で保護されていない皮膚部分に防護クリームを塗る等の措置を講じること。 | |
4 | 衛生管理者、産業医の巡視について、チェックリスト等を用いて行うこと。 | |
5 | 有機溶剤作業従事者に対し、危険有害性の教育を実施すること。 | |
6 | 化学物質に係るリスクアセスメントを再度実施すること。 |