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労働災害事例

化学教室のシンクの清掃中に発生した有機溶剤中毒

化学教室のシンクの清掃中に発生した有機溶剤中毒
業種 ビルメンテナンス業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:0人
不休者数:2人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101323

発生状況

 本災害は、中学校の化学教室の清掃作業においてシンク(流し台)を清掃する作業において発生した。
 作業の2日前に授業で使用した化学物質(ノルマルヘキサン、シクロヘキセン、臭素)を少量(100ml未満)シンクに廃棄していた。
 被災者Aは、化学教室に入室する際に普段より若干強めの薬品臭を感じたが、換気扇が稼動しており、また、清掃時には窓を開閉しないルールであったことから、窓を開けずに作業を行った。
 Aは入室5分後に目に刺激を覚えた後に目が痛くなり、次いで腹痛を覚えた。Aにつづいて被災者Bが入室し、Aの後方で作業を行っていたが、手足のしびれ、吐き気を自覚した。A、Bは化学教室の外に自力で退避した。
 A、Bともに有機溶剤中毒と診断されたが、翌日退院した。

原因

1 少量とはいえ化学物質をシンクに廃棄したこと。なお、廃棄後に大量の水道水を流している。
2 特別な危険有害情報は発注者→元請→作業所の順で伝えられるが、シンクに大量の水を流していることから、本件の状態を予見しなかったこと。
3 元請からの指示・情報伝達を受ける以外に、自ら必要な情報を精査して入手しなかったこと。

対策

1 化学物質は少量であってもシンクに廃棄せず、一旦タンクに保管し、廃棄業者に依頼し廃棄すること。
2 作業場所の危険性・有害性についての情報を発注者・元請に確認することを徹底し、同情報に基づいた安全な作業方法等を事前に決定すること。