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労働災害事例

塗装ブースにて長期間塗装作業に従事して、有機溶剤の吸引による肺炎を発症

塗装ブースにて長期間塗装作業に従事して、有機溶剤の吸引による肺炎を発症
業種 建設機械、鉱山機械製造業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101322

発生状況

 本災害は、小型移動式クレーン部品の下地塗装作業に長期間従事した際に発生したものである。
 被災者Aは、元方の本工場内の塗装ブースで移動式クレーン部品の下地塗料の吹付け塗装及び台車による部品搬送業務を行っており、まず塗装ブース内で塗料の調合を行い、次に台車に乗せて塗装ブース近くに置かれている部品の塗装しない部分にマスキングを行う。その後台車ごと部品を塗装ブース内に移動し、塗装作業を開始する。
 塗装作業はブースの最奥部に設置されている局所排気装置を稼動させ、呼吸用保護具を着用してスプレーガンで塗料吹付けを行い、塗装終了後に部品を台車に乗せたまま次工程に移る。塗料はいずれも第2種有機溶剤に該当するものである。
 以上の業務をAは、約4年間行っており、半年毎に受診している有機溶剤等健康診断の結果から、事業者がAに対して病院で受診するよう指示し、間質性肺炎との診断を受けた。

原因

1 Aが行っていた作業では局所排気装置による吸引と呼吸用保護具の着用により、有機溶剤等への暴露を予防する措置は取られていたが、ブース内では労働者が、塗装する部品と局所排気装置のフードの間に入って作業しているため、塗料のミストを浴びる可能性があること。

対策

1 局所排気装置を設けた塗装ブースで、労働者に有機溶剤等を使用して塗装作業を行わせる際には、塗装する部品を回転させることで、作業者が常に風上から作業を行うよう、作業方法を明確に定め、関係労働者への徹底を図ること。