屋内での鉛作業に長期間従事し、鉛中毒
業種 | 非鉄金属精練・圧延業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101316
発生状況
本災害は、溶解工場で、種板と呼ばれる鉛電極の製造業務に就いていたが、炉に廃バッテリーの電極を入れる作業、次いでアノードと呼ばれる鉛電極の製造業務に順次従事していたところ発生した。 被災者Aは、入社後溶解工場で種版製造業務に従事し、機械により銅板に巻きつけられた鉛の板を手で移し替える作業をしていたが、約9ヶ月後精錬部に異動して旧溶解工場で立方炉へ廃バッテリーの電極を入れたり溶融を監視したりする業務を行っていた。さらにその4ヶ月後鋳造部に異動し、精錬部で溶融された鉛からアノードを取り出す作業を3ヶ月ほど行っていたところ、腰、膝、胃の痛みがひどくなり、鉛中毒の診断を受けた。 |
原因
1 | 約1年7ヶ月間作業環境測定が実施されていないため、溶解工場及び旧溶解工場の空気中の現在の鉛濃度は不明であるが、過去の検査結果から、Aが従事していた当時の溶解工場及び旧溶解工場の空気中の鉛濃度が高かった可能性があること。 |
2 | 電解部所属の時期に鉛除去設備が不十分な電解工場内の休憩室で休憩していたこと。 |
対策
1 | 溶解工場及び旧溶解工場について、作業環境測定を実施し、現在の空気中の鉛の濃度状況を把握すること。 | |
2 | その結果が管理区分2あるいは3であれば、作業環境の改善を行うこと。 |