LCGの不純物除去装置の洗浄廃水を回収する際に、一酸化炭素中毒で死亡

業種 | 石油精製業 | |||||
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事業場規模 | 100~299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101315
発生状況
本災害は、石油精製の際に副生されるLCG(一酸化炭素含有率24.5%のローカロリーガス)に含まれる不純物除去装置を洗浄する際に発生する、排水の回収作業中に生じた。 不純物除去装置はトップデミスターという金網状の物で、LCGの不純物を除去しているが、徐々に目詰まりしてくる。このため1ヶ月に1~2度、定期的に洗浄して目詰まりを解消しているが、この時に発生する排水は水槽に順次溜まっていく。排水が水槽の70%になると溜まった排水を水位10%になるまで排出し、常時水が張られることで水抜き口の言わば蓋となり、LCGが抜き口から流出することを防止している。 上記洗浄作業、水槽から排水する作業、コントロールルームで状況確認作業、ダンパー車で排水回収作業等に分かれており数人で実施していたところ、勘違いや確認不十分により、水槽から水が全部抜けてしまい、LCGが接続されたパイプからダンパー車に流出したため、ダンパー車上の点検口付近に居た作業者が吸引して死亡した。 |
原因
1 | 事前打合わせが不十分であり、作業者が、所定の手順どおり作業を行わなかったこと。 |
2 | 作業員が不慣れであったこと、LCG吹抜けの危険性を認識していなかったこと。 |
3 | コントロールルームの作業員が、水位減少を見逃し、また警報の設定が不十分だった。 |
4 | 水槽の排水の合図がないのに勘違いして排水し、その際水位計を確認せず、その後現場を離れたこと。 |
対策
1 | 作業手順書を作成し、関係労働者に周知すること、事前打合せを確実に実施すること。 | |
2 | 新規作業の際は、十分な安全教育を実施し、LCG吹抜けの危険性を周知すること。 | |
3 | 警報が発報する水位の設定を適切にすること。 | |
4 | 無線連絡の際、復唱を徹底し、伝達に齟齬を生じないようにすること。 | |
5 | 水槽から水がなくなってもLCGの吹抜けが生じない構造にすること。 | |
6 | 排水の際は必ず水位を確認し、決して現場を離れないこと。 |