箱詰め作業前に実施した洗浄・殺菌作業の次亜塩素酸ナトリウムで、中毒
業種 | その他の食料品製造業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101314
発生状況
本災害は、フルーツ加工場のクリーンルームで、フルーツのカット、カップ詰め及び箱詰め等の作業を行っていたところ、作業開始後約1時間後に吐き気等の症状を訴えたものである。作業開始の約3時間前に密閉された当該クリーンルームにおいて次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を噴霧し、機械等の洗浄・滅菌作業を行っていた。この作業は月1、2回作業台、スライサー等の機械について実施しているものだったため、塩素臭が通常よりもきつい感じがしたものの作業を継続したが、6名のうちの1名が徐々に気分が悪くなり、ついには吐き気を我慢できなくなり、かつ息を吐けるが吸えない状況となり休憩するも改善しないため、自ら119番通報した。また別の1名はその後胸が痛いと訴えて病院に搬送された。 |
原因
1 | 次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄後の水による洗い出しが不十分であったこと。 |
2 | 換気が十分でない状態で、臭気を長時間吸い続けたこと。 |
3 | 洗浄・殺菌に関する作業手順が作成されておらず、作業者の経験に頼っていたこと。 |
4 | 洗浄・殺菌作業に使用する薬剤等についての安全衛生教育を実施しておらず、危険性の認識が不十分であったこと。 |
対策
1 | 殺菌のため洗浄作業を行う場合には作業手順書を作成し、関係労働者に周知すること。 | |
2 | 室内の換気には十分配慮し洗浄・殺菌作業する場合は全体換気を実施すること。 | |
3 | 作業現場にある危険性又は有害性を改めて特定し、労働災害の重篤度とその災害が発生する可能性を組み合わせてリスクを見積もり、リスク低減措置を検討すること。 | |
4 | 洗浄・殺菌作業に使用する薬剤等の危険有害性の教育を実施すること。 |