タンクローリー積載の化学物質をタンクに誤注入し、塩素ガスが発生
業種 | し尿処理造業、土木工事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101313
発生状況
本災害は、タンクローリーで運んできた硫酸アルミニウムをし尿処理場のタンクに注入する作業において発生した。被災者Aは、3箇所あるタンクの受け口にそれぞれ物質名が記載された札が掲げられていたにもかかわらず、真ん中の受け口に接続するものと思い込み、確認しないまま次亜塩素酸ナトリウムのタンクに通じる配管の受け口に接続した。その後硫酸アルミニウムを注入した結果、塩素ガスが発生し、処理棟内にいた作業員3人が塩素ガスを吸引し、助けようとしたAもガスを吸引して塩素ガス中毒となった。 |
原因
1 | 作業員への作業手順書及び化学物質の危険性に係る教育が不十分であり、よく確認もしないまま思い込みで作業をしたこと。 |
2 | Aは救出のためとはいえ、有効な保護具がないのに、塩素ガスが発生している場所に立ち入ったこと。 |
対策
1 | タンク注入の際に誤って注入しないように ①接続するフランジの形状を別のものとする。 ②接続するフランジに、納品業者が勝手にホースを接続できないよう蓋をして鍵をかけ、フランジにホースを接続する時は、処理場職員と複数で確認しながら作業する。 | |
2 | 配送する運転手に対して、ホースの接続先を間違えないように配管等に物質名が掲示又は表示されている場合、目視等により確実に確認した上で注入するよう教育すること。 | |
3 | 配送している化学物質の危険性や有害性についてSDS等により改めて教育し、漏洩や誤注入により発生する化学物質の危険有害性及び当該化学物質が発生した際に取るべき対応を記した書面を作成し、配送する運転手に教育を行い、当該書面をトラックに備え付け、避難を含めた誤注入時の対応が即座に取れるよう対策を講じること。 |