ごみクレーンのつり具であるグラブバケットを吊り上げた際、鉄骨梁に接触し、乗っていた作業員がバランスを崩して床へ墜落した
業種 | サービス業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 運転中の機械、装置等の掃除、注油、修理、点検等 |
No.101307
発生状況
ごみ搬出室内において、ごみクレーン(天井クレーン)のつり具であるグラブバケットの点検作業に当たり、ごみ搬出室に着地させたグラブバケットに被災者3名を含む4名の作業員が乗り、グラブバケットを開閉させるためにつり上げた際、グラブバケットがごみ搬出室上部の鉄骨の梁に接触し、バランスを崩した作業員3名が約4.7メートル下のごみ搬出室の床へ墜落した。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 物的要因 (1)作業箇所が狭隘であり、Bバケットのグラブが鉄骨に接触したこと。 |
2 | 人的要因 (1)作業員がとう乗したBバケットをつり上げたこと。 (2)路面のない油圧シリンダー防護柵を足場としてつり具である不安定なBバケットに登ったこと。 (3)1階のごみ搬出室のBバケットの状況が確認できない3階の中央制御室で2号機を運転したこと。 (4)副署長が法律違反行為を意図的に行ったこと。 |
3 | 管理的要因 (1)作業方法について事前に検討していなかったこと。 (2)作業者が、ごみクレーンの巻上げ速度、バケットの位置に応じた巻上げ速度の制限等のごみクレーンの性能、特性等を認識していなかったこと。 (3)過去に発生した同種災害が作業方法に生かされていなかったこと。 |
対策
同災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | ||
1 | 物的要因 (1)バケットの点検補修作業においては、充分な広さを有し、障害物のない適当な作業箇所を確保すること。 | |
2 | 人的要因 (1)作業員をバケットに乗せてクレーンでつり上げることを禁止すること。(やむを得ず同作業を行う場合には、クレーン等安全規則第27条の基準を満たす必要があること。) (2)足場、脚立、ピット等の設置によって、バケットの点検整備に適した十分な広さの作業床を確保すること。やむを得ずバケットに登る場合は、振れ止めを設ける等によって固定してから登ること。また、高さ2メートル以上の作業箇所においては墜落防止用の手すり等を設け、墜落防止措置を講ずることができない場合には安全帯を使用すること。 (3)ごみクレーン(バケットを含む。)を目視できる環境で運転すること。また、適切な作業箇所において目視で運転できるよう必要に応じ操作盤増設等の運転環境の整備を検討すること。 (4)安全衛生関係法令に係る遵法意識を向上させるための教育を行うこと。 | |
3 | 管理的要因 (1)想定される作業については作業手順を定め、非定常作業については事前に検討すること。 (2)巻き上げ速度、バケットの位置に応じた巻き上げ速度制限等のクレーンの性能、特性等について関係労働者へ周知すること。 (3)同種災害の再発防止対策を水平展開するとともに、リスクアセスメントも積極的に実施すること。 |