NCルーターを使用して合板加工作業中、フレーム付近に近づいたため、移動してきたテーブルとフレームとの間に挟まれた
業種 | 造作材・合板・建築用組立材料製造業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | ルーター | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 保護具、服装等の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 防護・安全装置を無効にする |
No.101303
発生状況
被災者は、NC加工場内においてNCルーターを使用して椅子用のL型合板加工作業に従事中、同機械を稼働させたまま安全柵の扉を開けフレーム付近に近付いたため、移動してきたテーブルとフレームの間に胸部を挟まれ意識を失いうずくまっているところを、同僚の労働者に発見されたもの。 発見当時、加工作業に伴い機械周囲に堆積する切削屑が、被災者の付近のみ清掃されていたもの。 また、NCルーターの安全柵の扉にはセーフティードアスイッチが設けられているが、作業の支障となるため3年程前より人為的に無効とされていた。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | NCルーターを稼働したまま安全柵の中に入り清掃作業を行わせたため、移動してきたテーブルと機械フレームの間に挟まれたこと。 |
2 | セーフティードアスイッチの機能を失わせたまま機械を使用させていたため、安全柵の扉を開けた際に機械が停止しなかったこと。 |
3 | 木材加工用機械作業主任者にセーフティードアスイッチ等の安全装置を管理させていなかったため、同装置が機能していない不安全な状態で機械を使用できたこと。 |
4 | 清掃作業を安全に行うための作業手順が定まっていなかったこと。 |
5 | 労働災害を未然に防止するための安全衛生管理活動が行われていなかったこと。 |
6 | 事業場における安全衛生管理活動が低調であり、被災者が安全を意識することができなかったこと。 |
対策
同災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | ||
1 | NCルーターの清掃作業においては、作業時の挟まれ等による災害防止のため、機械を停止した上で行わせること。 | |
2 | NCルーターを用いて作業を行う場合は、安全柵扉に設けられたセーフティードアスイッチ等の安全装置を有効な状態にして使用させること。 | |
3 | 労働者がNCルーターを安全に使用できるよう、木材加工用機械作業主任者に機械に設けられた安全装置の状況を管理させること。 | |
4 | 清掃作業も含め、労働者がNCルーターを安全に使用できる作業標準を定めて周知徹底すること。 | |
5 | リスクアセスメント実施により、労働災害の未然防止を行うこと。 | |
6 | 労働者に対する定期的な安全衛生教育の実施や、労働災害防止を目的とした職場巡視活動等の安全衛生管理活動を活発にすること。 |