NC正面旋盤の数値入力ミスにより、切削工具が加工物に衝突し、加工物が外れ飛散
業種 | 一般産業用機械・装置製造業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 旋盤 | |||||
災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 誤った動作 |
No.101298
発生状況
工場内において、被災者がNC正面旋盤を用いてサイドモールド裏面内径切削加工を行う際、座標の数値入力ミス(加工物までの距離300mmの数値を入力しなければならないところ、前回設定した500mmで切削作動)により、ツール(切削工具)がワーク(加工物、重量約340kg)に衝突したため、その衝撃で高速回転していた当該ワークがチャッキング(バイスによるワークのつかみ固定)から外れ、飛散した。 飛散したワークは、周囲を覆っていたカバー内部にぶつかった後、そのカバーが外れ、そのカバーがそばで操作していた被災者の前額部、左腕等に直撃した。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 被災者が、NC旋盤のプログラミング作業において、座標の数値入力を誤った状態で当該旋盤を作動させたため、ツールがワークに衝突したこと。 |
2 | 被災者が、ワークを表面から裏面に切り替える際、正直台(ワークを設定する台座)を取り替えず、そのままの状態で使用したため、ワークのチャッキングの固定部分が浅く、十分に固定されていなかったこと。 |
3 | 旋盤作業における安全な作業手順が徹底されていなかったこと。 |
対策
同災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | ||
1 | プログラムチェックを徹底すること。また、プログラム入力ミス警告機能や送り停止用ミットスイッチ等、ハード面の改善が望ましいこと。 | |
2 | ワークのチャッキングについて、安全な固定幅(掴みしろ)の基準を定め、遵守させるとともに、ワークが安全かつ確実に固定できるよう安全面での改善を検討すること。また、正直台の取替えレベル調整が容易にできるよう改善すること。 | |
3 | 旋盤作業におけるリスクを洗い出し、安全な作業手順書を作成すること。 |