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トイレの清掃中、洗剤がなくなり別の洗剤を使ったところ、塩素中毒になる

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発生状況
 この災害は、トイレの清掃中、使っていた洗剤がなくなったため、別の洗剤を持ってきて使用したところ、化学反応により塩素ガスが発生し、これを吸い込んだものである。
 災害の発生した事業場では、当番制により2人ずつでトイレの清掃を行うこととされていた。
 災害発生当日、被災者は、同僚とトイレに行き、清掃作業を始めた。
 作業は、洗面台の下に収納していた洗剤を床や便器にかけ、トイレの収納庫にあるデッキブラシを使い清掃するものであり、被災者は、トイレの奥側を担当していた。
 作業開始からしばらくすると洗剤がなくなったため、洗面台の下に収納していた別の洗剤を使って清掃を続けた。
 この時、床や便器には、始めに使った洗剤が残っており、これを洗い流すことなく、その上に新しい洗剤をかけ、デッキブラシで擦りながら清掃作業を続けた。
 そして、しばらくすると、被災者は気分が悪くなり、嘔吐をしたので、同僚が被災者をトイレから連れ出し、別の者が病院に搬送したところ、塩素ガス中毒と診断された。
原因
 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜたこと
 当初、使用していた洗剤は、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムを主原料とする塩素系洗剤であったが、これがなくなった後に使用した洗剤は、塩酸を主原料とする酸性洗剤であった。そして、当初使用していた塩素系洗剤がなくなったとき、床等に塗布されていた洗剤を洗い流すことなくその上に酸性洗剤をかけ、デッキブラシで磨いたため、塩素系洗剤と酸性洗剤が混ざったため、塩素ガスが発生した。
2 塩素系洗剤と酸性洗剤を購入していたこと
 トイレ用の洗剤は、事務担当者が一般の量販店で家庭用のものを購入していたが、塩素系洗剤であるか酸性洗剤であるかを意識せず購入していたため、同じ場所に塩素系洗剤と酸性洗剤が保管されていた。このため、同時に使用される恐れがある状況であった。
3 危険性について周知されていなかったこと
 作業に当たっては、当番だけが決められており、作業方法は特に定められておらず、塩素ガス発生による危険性も周知されていなかった。
対策
 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 塩素系洗剤と酸性洗剤を混合しないこと
 塩素系洗剤と酸性洗剤を混合すると塩素ガスが発生することから、これらを同時に使用しない。もし、両方を使用する場合は、別の種類の洗剤を使用する前に元の洗剤を完全に洗い流すとともに十分な換気を行う。
2 使用する洗剤の種類を決めておくこと
 塩素系洗剤と酸性洗剤を同一場所に保管していると混合させる恐れがあることから、使用する洗剤の種類を決めておき、周知する。
3 塩素系洗剤と酸性洗剤の混合による危険性を周知すること
 作業を行う者や洗剤を購入する者にあらかじめ、塩素系洗剤と酸性洗剤の混合による危険性を周知しておく。
業種 道路貨物運送業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 物質、材料
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る
NO.101289
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