圧力容器のガラス製のぞき窓が破裂し、破裂音により難聴になる
業種 | 化学工業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 圧力容器 | |||||
災害の種類(事故の型) | 破裂 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物自体の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 危険な状態を作る |
No.101284
発生状況
この災害は、圧力容器に蒸気を通気したところ、内圧により、のぞき窓のガラスが破裂し、その破裂音により近くで作業を行っていた被災者が音響外傷性難聴となったものである。 災害の発生した事業場では、電線の製造を行っており、当日は、始業後、製造作業に入るため、加硫器(第1種圧力容器)へ蒸気の通気が行われた。そして、常用圧力に達した頃、2カ所に設けられたのぞき窓のうち昨日取り替えられたのぞき窓のガラスが内圧により破損した。そのとき、ガラスが破損したのぞき窓の直下で作業していた被災者が、破裂音により被災し、音響外傷性難聴となった。 破損したのぞき窓のガラスは、ガラス取り付け部より蒸気漏れが発生したため、前日に、予備のガラスと交換され、その後、加硫器は、災害発生時まで使用されていなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | ガラスの強度が不足していたこと 破裂したのぞき窓のガラスは、加硫器を購入した業者とは別の業者から購入したものであり、圧力容器構造規格に適合したものではなく、使用する圧力に対して、十分な強度がなかった。 |
2 | ガラス取り付けボルトの締め付けが均等でなかったこと 災害の発生前日にのぞき窓のガラスが交換されたが、ガラスを取り付ける際に、トルクレンチでないレンチを使用したため、締め付け強度を確認することができず、ボルトの締め付けが不均等となった。 |
3 | 作業標準が定められていなかったこと のぞき窓のガラス交換について、使用する工具などの作業方法が具体的に定められていなかったため、作業に不適切な工具が使用された。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | ||
1 | 構造規格に適合したものを使用すること 加硫器(第1種圧力容器)ののぞき窓に使用するガラスについては、圧力容器構造規格に適合したものを使用する。また、ガラスを購入する際にも適正な発注が行われるよう管理体制を整える。 | |
2 | 適正な工具を使用すること のぞき窓のガラスを取り付ける場合は、トルクレンチを使用し、取り付けボルトの締め付けを均等にする。 | |
3 | 適正な作業標準を作成すること 使用する工具も含め、適正な作業標準を作成し、労働者に周知する。 |